ケーブルで音は変わるのか?

mixiでマイミクの方がケーブルで音は変わらないと考えている、と発言されていて、その話題について少しレスした。
そうしたら、昔スクラップした記事の事を思い出したので掘り出してみた。
これを今回のネタにしよう。

ラジオ技術 1997年5月号 スピーカー・ケーブルの音質問題 武井英夫
P1020164.jpg
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全文掲載は引用の範疇を越えていると思うが、14年前の記事で再掲載もされてないようだし、埋もれるのも勿体無い内容なのでご容赦。
図はあまりにも見づらいので番号を振った。
図の下に書いてある意味の順番。
色分けは電力線の種類。
第6図の「5(※)」となっているのはラインの位置が間違っていると思って「※」を付けたけど、よく見たら間違ってなかった(^^;
でも直すのが面倒くさいのでそのまま(笑)。
この記事でまず興味を引くのは第6図、第7図にあるような減衰量のライン。
P1020163.jpg
1.25SQ平行2芯と導体径同じで芯線間距離を10cmにした物、2SQ平行2芯の減衰量のラインが全て違うカーブを描いている。
もしこれらのカーブが平行なら、それぞれの電線を通った音は音量が違うだけで同じ音といえる。
しかしカーブが違う事によって音質が変化している事を示している。
もっとも、これが聞き取れるかは甚だ疑問だ。
実際の減衰量は1.25SQ平行2芯で100Hz時0.4dB/km、20kHz時4dB/km。
1m辺りに直すと、100Hz時0.0004dB、20kHz時0.004dB(計算すると0.1%)にしかならない。
まず感知できない。
この記事では、減衰量以外でも音が変わる可能性について触れている。
P1020162.jpg
第5図ではフルレンジスピーカーユニットのインピーダンスと4芯カッド撚り線のインピーダンスが20kHz近辺でマッチするので4芯カッド撚り線の高域に特徴的な音がするのではないか?と考察している。
この部分は、もっと掘り下げると面白くなっただろう。
総評は、この記事はオーディオマニアにはとても興味深い物だが、ケーブルで音が変わる事に肯定的な立場から書かれた物で、我田引水な箇所も目に付くので、その分割り引いて読まないといけない物だと感じる。

さて、上の記事を書いてて他の資料は無いかと、2chの「ケーブルで変わらないのは偽物?」というスレを開いてみた。
テンプレになっている「オーディオの科学」、「音楽苦楽部」が割と読みやすく面白かった。
最初はどちらのサイトも否定派の立場で書いた物かと思ったが、問題になるのは抵抗値のみで他の要因は問題にならないとして、ケーブルで音が変わる事自体は否定してなかった(頭でっかちだとは思ったが)。
実際、音楽苦楽部の方では理想的なスピーカーケーブルや電源ケーブルの構造について触れている。
どちらのサイトでも高級ケーブルには意味が無いとは言ってる。
これについては共感出来る所があり、自分も昔、幾つものオーディオケーブルを試した結果、たどり着いたのが只の電力線だった。
これ以上の物を探そうとしても、金や労力が掛かり過ぎて効率が悪いだけ、只の電力線よりも音の悪いオーディオケーブルは山程あった。

音楽苦楽部では「接点にオイルを塗ると、接触が悪くなるか」の記事で、コンタクトオイルの重要性について触れている。
乾式接点よりもオイル接点の方が接触抵抗が低いとの事。
これはとても納得が出来た。
自転車整備でもボルトにグリスを塗ってから締めるのが当たり前、その方がネジ山の接触面の状態が安定して緩みづらくなるのだ。
これをオーディオにも持ち込んで、スピーカーユニットの止めネジや締め込み式のRCAプラグのネジ山にもグリス塗布を行っていたが信号接点は気づかなかった。
早速手持ちのシマノデュラエースグリスで試してみる(^^)。
自転車用のグリスだけどプラスチックやゴムを侵しずらいようで、今の所トラブルにあった事はなく、何処にでも使っている。
乾きにくいのも良い。
RCAプラグ、スピーカー接続部、電源接続部に塗ってみる。
音出し、…なんか中域が膨らんだ音だな(^^;
2日ぐらいしたら馴染んだのか、そういう傾向が無くなり張りが出てきた。
グリス塗布前よりも悪い音では無い。
馴染むのに時間が掛かった理由は、グリスの増稠材が接触面から抜けるのに時間が掛かるせいのようだ。
うちは接触圧の高いコネクタばっかりなので問題無いけど一般的には勧められない。
そして同時にPCの方にシリコンスプレーを試してたのだが、これがやってはいけない事だと判明。
低分子シロキサンによる接点障害が起きる可能性があるとの事。
つまりオイルが乾くと絶縁性の残留物が残る事があり、逆効果という事だ。
KUREエレクトロニッククリーナーサンハヤト ポリコールキング購入。
これから買う人は防錆剤を配合したニューポリコールキングの方が良いと思います。
このシリーズに使用されている油は、鉱物油よりも侵食性が低い。
エレクトロニッククリーナーは本来は不用。
ポリコールキングを掛けて布等で拭き取れば汚れも前の油や残留物も拭き取れるから、それだけで良い。
私はしっかり切り分ける為に購入した。
PCのシリコンスプレーを吹いた所全てに、ポリコールキングを吹きなおす。
吹いた後は布できっちり拭き取る。
それでも油膜は残っているので問題無し、差し込む時のスムーズさで判る。
接触抵抗が減った事による変化が何か起こったかというと、ADSLやLANのコネクタに吹いても回線速度に差は出なかった。
ヘッドフォンは細かい音が出るようになって音が良くなったと感じた。
そういえば一度もクリーニングしてなかったしなあ(^^;

問題なさそうなので次はオーディオの接点、RCAプラグと電源コネクタ等、メッキされている所のみ、ポリコールキングに変更。
非メッキ部分はグリスの方が錆びに強いだろうからそのまま。
音は、…変わらないかな(^^;
グリス塗った時に既に端子クリーニングはしたし、接触面の状態が安定後なら、差が出なくて当たり前か。
そして端子クリーニングして接触抵抗が下がった事による音の差とケーブルによる音の差はやっぱり別物だと感じた。
以前は半年に一度端子クリーニングしてたし経験的に知ってた事だ。

ケーブルによる音の差があるかどうか、逆説的に言えば、コンデンサやコイルや抵抗を取り替えると音が変わるというなら、ケーブルも同じだと考えられる。
例えば1μFのコンデンサ同士なら取り替えても特性は変わらない。
でも、高級オーディオでは1μFのコンデンサは豆粒のような小さな汎用品は使われず、聴感で選ばれた往々にして巨大で高価な物が使われる。
容量が同じだから音も同じだろ、とは誰も言わない。
コンデンサとしての役割以外の部分に差がある事を認めている。
この2つのコンデンサの違いは構造や材料の違いによる物だ。
だったらケーブルも同じではないだろうか。
そう考えると、ケーブルは容量もインダクタンスも抵抗値も意味が無い程低いので、特性を変えずに音を変えられる、都合の良いオーディオアイテムに見えてくる。
まあこんな説明を長々書かなくても、感性で解ってるからオーディオマニアはケーブルをとっかえひっかえするのだろうな。
しかし経験的な手法や感覚に頼った判定に勘違いや間違いが多い事は否定しない。
だから個人的にケーブルで音が変わると考えているけど、他人が違う考えでも気にしない。
自分に取ってやらないのは勿体無い事だが、人に勧める事ではないと考えている。

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参考になります

参考記事、サイト、共に面白かったです
こういう実験データはとても面白いですね

うちも接点清掃にはポリコールキングを使っていましたが、近所のホームセンターに売っていなかったのでKUREの接点復活スプレーに切り替えました
http://www.ekure.com/products/detail.php?product_id=93
ギターのポットのガリもこれで軽減できました(^^)

接点の洗浄はオーディオテクニカの接点クリニカに無水アルコールを染込ませて、ざっくりと汚れをふき取った後に接点復活スプレーを拭きつけた布(紙タオル)で拭きあげてます

※オーテクのは生産完了になってますね
http://www.audio-technica.co.jp/products/cleanica/at6022.html
この前の世代のやつは中心部がブラシだったんですよ

オーディオは趣味の世界なので、ケーブルを替えることで音の変化が実感できて楽しめる人はそれでいいと思いますが、接点のメンテナンスやきちんとした接続が重要なのでは?と思います

昨今のオーディオ事情を調べてみた結果、高級品(モンスターケーブルとかのバカ高いケーブルとか)はいい音になるという意見が散見されるのですが、バブル崩壊後もオーディオの世界は変わっていないなぁと驚いています

ところで、このサイト面白いですよ
http://www.procable.jp/setting/index.html
一部共感できる内容もあるんですけど、「パソコンでWAVリッピングした物をiPodで聴く。これこそが世界最高峰のCDプレイヤー!」という記事で大笑いしました
普通のCDプレイヤーではパソコンのCDドライブのようにエラー訂正をしないので、本来の音は再生できないというトンデモ記事です
売ってる商品も、最高級 LANケーブルとか、とても怪しいですww

Re: 参考になります

私も今までオーディオテクニカの接点クリニカを使っていました。
でもオイル接点の方が接触抵抗が低いようなので切り替えました。

> 接点のメンテナンスやきちんとした接続が重要なのでは?と思います

重要というか基本ですね。
それが出来ていてかつケーブルで音が変わると言っているのがオーディオマニアなのです(^^)。
定量的な計測法が確立されてない現状では、これを説明する事も出来ませんし、そう思ってる人が好きにやれば良いと私も思います。

> ところで、このサイト面白いですよ

リンク先見てませんが(笑)、オカルトサイトの1つであろう事は推測できます。
はっきり言ってオーディオは健康グッズ並みにオカルトだらけで、何の効果も無い物でお金を踏んだくろうとする人達が跳梁跋扈してます。
(すごいのになると変な模様を書いたお札を貼ると音が良くなるとか)
こういうインチキがあるせいで、測定出来ない事は無い事と唱える人が2Chとかで活発に活動しているのだろうなと推測します。

私はケーブルで音が違うのを体験してますし、ちょっと前にもHTPC機に重りを乗せると音が変わると書いてたりします。
PCに重りを乗せても電気回路的には何の意味も無いはずですが、私は自分の感覚の方を信じます。
他にもネットワークケーブルにポリコールキングを吹いても回線速度に変化無しでしたが、ヘッドフォンのコネクタに吹いたら音が変わりました、私はこれを変化があったと捉える訳です。

例えばスピーカーの周波数特性が同じなら音は同じと唱える人が偶に居ます。
でも高性能のデジタルイコライザを使って周波数補正してもスピーカーの音の差は無くなったりしません。
周波数特性が同じでも群遅延特性やリニアリティやその他別の測定方法で測れる違いが出るからです。
ケーブルもそうかもしれません、別な測定方法を持ち出せば違いが出てくるのかもしれません。
でも一般人の私はそんな特殊な測定器は持ってないから聞いて判別するだけです(笑)。
そんなスタンスでオーディオをしております。

No title

> ヘッドフォンのコネクタに吹いたら音が変わりました
これは恐れくジャック側の汚れが落ちたことによる効果が大きいと思われます。

> 私はケーブルで音が違うのを体験してますし
私は、どんなケーブルでも変わりないという極論言いましたが、コンタクトの構造とケーブルの太さでの音の違いは実感しました。。
ただ、同じような構造で線材が違う物(普通の導線とPCOCC)では実感できなかったですね。

> HTPC機に重りを乗せると音が変わると書いてたりします。
このあたりは、どういう影響でそうなるのかというのが気になります。
CDプレイヤーやアンプにオモリを乗せると音が変わるというのは実践したことはないんですけど、CDプレイヤーなどは静震効果が影響するという説がありますね
アンプに関しては、真空管アンプ時代からの重いアンプは真空管に対しての振動影響が少ないという情報が今でも根付いているとか聴きますけど。

お金をかけなくてすむ実験(?)は面白いと思います。
それで、音の変化が実感できて自分の好みの音になるのは至上の喜びでしょうね。

オカルトに影響されず、最低限の費用で楽しむ。
これが一番楽しい(経済的な苦痛にはならない)と思います。

Re: No title

> これは恐れくジャック側の汚れが落ちたことによる効果が大きいと思われます。
> CDプレイヤーやアンプにオモリを乗せると音が変わるというのは実践したことはないんですけど、CDプレイヤーなどは静震効果が影響するという説がありますね

どのような理屈で音が変わっているのかは、まだはっきりとは解ってないのです。
乾式接点からオイル接点に変える事によって数十mΩ抵抗に変化がありますが、抵抗の変化は音量の変化でしかありません(汚れが落ちた事によるでも同じ事ですがこちらの計測値は知らないので上の事象を持ち出します)。
単に音量の変化だけを捉えて、音が変わったと自分を含めた肯定派の人が言ってる訳ではないと感じてます。
音が変わったと理屈付けるには、端子クリーニング前後で「ラジオ技術 1997年5月号 スピーカー・ケーブルの音質問題 武井英夫」のような、減衰量カーブを計測(計算?)したら人間が感知できそうなレベルでカーブが変化した、という所までやって、やっと言える訳です。
先にスピーカーの例で、周波数特性だけで音が決まる訳ではないと書いたように、他の計測法じゃないと差が出ないのかもしれませんが。
もちろんそんな面倒な事が一般人が出来る訳は無く(^^)、聞いて判断する、それでいいじゃないか、という訳です。
こういうスタンスの差でオーディオマニアかどうか分かれてくる訳ですね。

> オカルトに影響されず、最低限の費用で楽しむ。
> これが一番楽しい(経済的な苦痛にはならない)と思います。

趣味ですから、その人の出来る範囲内で好きなようにすれば良いと私は思います。
もちろん知り合いが高価なオカルトに手を出しそうだったら止めますが(笑)。
例えそういう物であっても調度品と考えれば無駄にはならない訳ですから(^^;、最終的にはやっぱり本人の好きなようにという話になります。
いや、オーディオ機器やオーディオアクセサリのデザインは、高級品は無駄に格好良くて値段の半分くらいはこれに掛かってと思います(笑)。
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